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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻8号

1993年08月発行

文献概要

臨床経験

上腕三頭筋長頭拘縮の1例

著者: 有山信三1 小野浩史1 矢島弘嗣1 尾崎二郎1 玉井進1

所属機関: 1奈良県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.937 - P.940

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 抄録:上腕三頭筋長頭拘縮による上肢挙上制限の1例を経験した.症例は37歳の女性で,幼少時より右上肢の挙上制限を自覚しており,日常生活では結髪動作が困難であった.疼痛はなかった,初診時,上肢前方挙上,側方挙上とも制限され,とくに,肘関節屈曲位での上肢挙上が著しく制限されていたが,筋力,知覚などは正常であった.上腕三頭筋長頭はその起始部から約8cmにわたり索状化しており,これが上肢挙上制限の原因となっていた.この上腕三頭筋長頭の索状部分とその深部の広背筋膜の切離を併せて施行することにより上肢挙上制限は改善しえた.本症は幼少時より症状が存在しており,手術時所見,病理所見から胸鎖乳突筋の瘢痕化による先天性筋性斜頸と類似した病態と考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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