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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻8号

1993年08月発行

文献概要

臨床経験

殿部の深部組織より発生した血管平滑筋腫の1症例

著者: 八木正義13 鵜飼和浩1 森本一男1 木崎智彦2 指方輝正2

所属機関: 1兵庫県立成人病センター整形外科 2兵庫県立成人病センター病理部 3県立加古川病院整形外科

ページ範囲:P.949 - P.953

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 抄録:血管平滑筋腫は稀な腫瘍ではないが,その大部分は皮膚および皮下発生であり,深部組織よりの発生は稀である.今回我々は殿部の深部組織より発生した血管平滑筋腫を経験したので報告する.症例は28歳女性,6年前より左殿部に手拳大の腫瘤があるのに気付くも放置,以後徐々に腫瘤は増大し正坐困難となる.受診時腫瘍は小児頭大,弾性硬,境界明瞭で,画像診断上坐骨直腸窩より発生したものと思われ,血管に富んだ腫瘍であった,摘出腫瘍は最大20cmの径を有し1200gで,組織学的には血管平滑筋腫であった.術後3年の現在再発なく症状もない.
 現在まで深部組織より発生した血管平滑筋腫は9例の報告例が散見されるが,皮膚および皮下発生例では2cm以下がほとんどであるのに対して深部発生例では比較的大きな腫瘤を呈することが多い.また現在より使用されているEnzingerによる平滑筋腫の分類では深部血管平滑筋腫の記載はなく,今後検討する必要があると思われる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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