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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻8号

1993年08月発行

文献概要

臨床経験

橈骨頭脱臼と遠位橈尺関節脱臼を合併した1例

著者: 鈴木孝宏1 古屋公之1 長岡正宏1 佐藤勤也1

所属機関: 1日本大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.955 - P.957

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 抄録:きわめて稀な橈骨頭前方脱臼と遠位橈尺関節脱臼を合併した1例を経験した.症例は17歳,男性.オートバイ走行中の転倒事故で受傷し,前腕部に挫創および変形を認めた.単純X線上,橈骨頭前方脱臼と尺骨頭長軸・背側脱臼を認めたが,両前腕骨に骨折はなかった.橈骨頭前方脱臼は,橈骨頭を後方へ押し込む操作により容易に整復され,同時に遠位橈尺関節脱臼も整復位となった.遠位橈尺関節は経皮鋼線固定としたが,橈骨頭は整復位で安定していたため内固定は行わなかった.受傷機転は,前腕回内位で手をついて転倒したため,肘関節が過伸展を強制され,尺骨が支点となり橈骨を持ち上げ,同時に上腕二頭筋の収縮力が働いて橈骨頭前方脱臼が生じたと考えた.一方,遠位橈尺関節脱臼は,手関節背屈位で回内を強制され,尺骨頭が背側へ脱臼し,さらに,橈骨頭に前方脱臼も生じたため軸圧力が加わり長軸方向へも脱臼したと推測した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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