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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻8号

1993年08月発行

文献概要

臨床経験

線維肉腫を伴った隆起性皮膚線維肉腫の1例―病理組織学的所見

著者: 西孝之1 吉田春彦1 井藤久雄1 山本吉藏2

所属機関: 1鳥取大学医学部第一病理学教室 2鳥取大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.959 - P.961

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 抄録:隆起性皮膚線維肉腫(dermatofibrosarcoma protuberans,以下DFSP)は中間悪性群の腫瘍である.本例の線維肉腫(fibrosarcoma,以下FS)像を伴ったDFSPは,その組織発生を考察する上で示唆に富むものである.症例は54歳,女性.主訴は左肩軟部腫瘤である.1980年,1986年に近医にて摘出術を受け,1992年2月に2回目の再発をし,術後化学療法を行うも,5月に3回目の再発を来した.2回目再発の腫瘍はbimorphic patternを呈し,FS領域70%,DFSP領域30%に分けられ,DFSP with FSと診断した、FS領域はDFSP領域に比較し,細胞密度,分裂像など悪性度が高く,PCNAおよびAgNORsでも増殖能に違いがみられた.3回目の再発腫瘍では,FS領域が100%を占め,肺転移を認めた.臨床的にもDFSP with FSは,通常型DFSPに比較し,再発率および悪性度が高く,原発はもとより再発腫瘍においてもFS領域の有無に注意すべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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