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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻8号

1993年08月発行

文献概要

臨床経験

胸骨骨破壊を初発症状としたホジキン病の1例

著者: 木下知明1 舘崎慎一郎1 熊谷匡也2 佐藤哲造1 六角智之1 山口潔1 高木敏之2 小松悌介3 守屋秀繁4

所属機関: 1千葉県がんセンター整形外科 2千葉県がんセンター血液化学療法科 3千葉県がんセンター臨床病理部 4千葉大学整形外科

ページ範囲:P.967 - P.970

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 抄録:前胸部腫瘤を伴う胸骨骨破壊を初発症状とした結節硬化型ホジキン病の1例を経験した.症例は33歳,男性.1991年12月,飲酒中に前胸部の不快感を自覚し同部の腫張に気付いた.抗生剤と抗炎症剤を服用するも軽快せず,徐々に腫脹が増大したため1992年4月当科を紹介された.初診時,胸骨角右側に鶏卵大の腫瘤がみられた.全身状態は良好で表在リンパ節は触れなかった.血液検査では炎症所見が著明であり,左腸骨骨髄生検では顆粒球過形成がみられた.断層X線像では胸骨柄に虫食い状の骨破壊がみられ,CT,MRIでは胸骨の前方と後方に骨外軟部病変がみられた.生検で悪性腫瘍が疑われたが,同年5月,右鎖骨上にリンパ節が触知されるようになり,同部の生検で結節硬化型ホジキン病と診断された.本症例では炎症性骨疾患との鑑別が困難であったが,炎症所見の強い骨破壊病変の診断には,ホジキン病を含めた悪性リンパ腫の存在が念頭におかれるべきである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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