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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻9号

1993年09月発行

文献概要

診療余話

SpondylectomyかVertebrectomyか

著者: 富田勝郎1

所属機関: 1金沢大学整形外科

ページ範囲:P.1022 - P.1022

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 先日,小生の脊椎腫瘍根治的手術(total en bloc spondylectomy)に関連してspohdylectomyかvertebrectomyか,2,3の方から聞かれました.実際,英語でspondylectomyかvertebrectomyか混乱しているように思います.私自身もこれまで両方適当に使ってきました.しかし3年前,モントリオールSICOTの夕食会でイギリスの整形外科医グループからこの点に関して面白い話をきく機会があったので紹介します.即ち,spondylectomy,vertebrectomyのどちらでもよいかと問うたところ,迷うことなく異口同音にspondylectomyが正しい,vertebrectomyは英語を知らない人達が作った言葉だ,と即答され,びっくりしました.で,その理由は,と尋ねると,それはギリシャ語(Greek)とラテン語(Latin)を母体として育ってきた英語の歴史と,芸術の花開いたギリシャ時代,即ち,ヒポクラテスの時代にまで遡った医学の歴史を学んでいるかどうかによる,というのです.即ち,医聖ヒポクラテスは「病気を治すことは芸術―art―に通じる」と説いていたので,以後彼に敬意を表して,病気(patho-)に関する名称はギリシャ語を優先して用いるようになっているそうです.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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