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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻9号

1993年09月発行

文献概要

論述

外傷後脊髄空洞症

著者: 藤原桂樹1 浅野雅敏1 米延策雄2 廣島和夫3

所属機関: 1星ヶ丘厚生年金病院整形外科 2関西労災病院整形外科 3国立大阪病院整形外科

ページ範囲:P.1023 - P.1028

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 抄録:外傷後脊髄空洞症の臨床症状,画像所見,手術成績,病理組織像を検討した.発生頻度はMRIを施行した脊髄損傷156例中10例,6.4%である.解離性知覚障害,上肢の髄節性運動麻痺など典型的な神経症状は4例にみられたにすぎず,残る6例はしびれ感の増強のみ,もしくは無症状であった.MRIでは5例に骨傷高位およびその近傍にT1強調画像で脊髄腫大を伴う境界不明瞭な斑状の低信号域がみられた.この領域はdelayed CT-myelographyで脊髄内へ造影剤が一様に取り込まれ,組織学的にはglia細胞の増殖を伴うmicrocavityが白質内に散見された.治療は4例にsyrinx-subarachnoid shunt術を施行した.手術結果から,空洞内圧が高く術後空洞縮小,神経症状の改善が著明な緊張性空洞症と,空洞内圧が低く空洞縮小,神経症状の改善がわずかな非緊張性空洞症に分類された.両者の鑑別にはT2強調画像でのflow-void signの有無が有効な指標となる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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