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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻9号

1993年09月発行

文献概要

臨床経験

多発性骨癒合症の1例

著者: 二井英二1 小保方浩一1 矢田浩1 原親弘1 荻原義郎2 山崎征治3

所属機関: 1三重県立草の実学園整形外科 2三重大学医学部整形外科 3上野総合市民病院整形外科

ページ範囲:P.1051 - P.1054

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 抄録:多発性骨癒合症は,指骨,手根骨,足根骨,肘関節などに骨癒合のみられる比較的稀な先天性奇形の総称である.今回,我々は,特異な顔貌,手根骨および足根骨癒合,股関節脱臼,側彎,難聴,精神発達遅滞などを伴った多発性骨癒合症と思われる1例を経験したので報告した.多発性骨癒合症は,欧米では約40例,本邦では18例の報告がみられるが,癒合骨の部位,数は症例ごとに異なっており,多発性骨癒合症と診断するための最低基準に関して,現在のところ定説はなく,若干の混乱がみられている.我々は以前,現在までに報告されている多発性骨癒合症の症状をまとめ,多発性骨癒合症の診断基準を作成し報告している.骨癒合症状を主要症状,その他の合併症状を周辺症状とし,主要症状,周辺症状がそれぞれ2つ以上存在すれば,全身の骨格疾患要素のひとつの表現型と考え,多発性骨癒合症と診断しうるとした.本症例もこの診断基準を満たすものと考え,多発性骨癒合症と診断した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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