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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻9号

1993年09月発行

文献概要

臨床経験

肩関節痛を初発症状とした原発性アミロイドーシスの1症例

著者: 玉田善雄1 島津晃2

所属機関: 1井上病院整形外科 2大阪市立大学整形外科教室

ページ範囲:P.1059 - P.1062

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 抄録:アミロイドーシスはアミロイドと呼ばれる異常蛋白が臓器・組織に沈着し機能障害をおこす疾患群で,近年では長期透析患者の骨・関節疾患の一因として注目されている.しかし原発性アミロイドーシスの関節症状の報告は少なく,発現頻度も稀とされている.1例を経験したので報告する.症例は54歳,女性.肩関節の疼痛を主訴に受診し関節内ブロック施行後,関節水腫(shoulder pad sign)が続いた.家族歴,既往歴に特記すべきものはない.鏡視下関節滑膜切除術後,疼痛は軽減したが腹部膨満感,ileus症状などが出現したため開腹術が行われた.しかし,術後2ヵ月半,全身衰弱で死亡した.手術で得られた関節滑膜,胃粘膜にアミロイドの沈着(KMnO4処理コンゴレッド染色に抵抗性:AL typeのアミロイド)が認められた.先行する基礎疾患がなく,尿BJP陽性などより原発性アミロイドーシスと診断した.剖検所見でも全身臓器にアミロイドの沈着が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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