icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科28巻9号

1993年09月発行

文献概要

臨床経験

骨肉腫予後不良例の検討

著者: 五十嵐純夫1 井須和男1 姥山勇二1 山脇慎也1

所属機関: 1国立札幌病院北海道地方がんセンター整形外科

ページ範囲:P.1087 - P.1091

文献購入ページに移動
 抄録:術前,術後の強力な系統的化学療法の導入とその強化により当科における骨肉腫の10年生存率は約65%にまで向上したが,残る35%は治療に抵抗し予後不良である.当科で化学療法がより強力に施行されてきた1979~1988年の10年間における死亡例23例について,臨床像及び剖検所見から検討した.臨床的に死亡の形式は大きく二つのパターンがみられた.肺転移が主原因と考えられた群(group I)と,肺転移を有するが他の因子が死亡に際し大きく関与したと考えられた群(group II)である.group I(13例)では,多発散在性の肺転移が6例,少数結節性が7例であり,group II(9例)では,全例少数結節性の肺転移を示した.剖検の得られた13例について検討すると,肺外転移はgroup IIでより広範囲に認められた.骨肉腫に対する化学療法は今後も強化される傾向にあり,肺外転移の発生も考慮に入れ治療を行うべきと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら