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シンポジウム 関節スポーツ外傷の診断と治療―最近の進歩
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抄録:スポーツによる足関節外側靱帯損傷の診断は,受傷機転や,臨床症状や,単純X線写真や,内がえしストレスや前方引き出しストレスを加えた際のX線写真や,関節造影や腓骨筋腱腱鞘造影などにより行われてきた.近年器具を使用してのストレスX線写真により不安定性が評価され,また関節鏡やMRIの導入により軟骨損傷の合併が明らかになってきた.治療には保存的療法と観血的療法があり,いまだ議論のあるところである.4週間のギプス固定とその後2カ月間の装具使用による保存的療法の治療成績を54例54足の外側靱帯損傷について検討した.follow-up期間は平均18.6カ月である.治療後89%の症例がもとのスポーツに復帰し,7%が種目を変えてスポーツを行っていた.安定性は臨床的にもX線学的にも良好であった.治療前の動揺性の強い例でも良好な安定性が得られていた.保存的療法は有効な治療法と考えられた.
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