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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻1号

1994年01月発行

文献概要

臨床経験

頸部広範リンパ節郭清術後に生じた副神経麻痺の一治験例

著者: 桝谷厚志1 岡田正人1 太田義明1 高田裕恭1 西島雄一郎1 東田紀彦1 山崎安朗1

所属機関: 1金沢医科大学整形外科

ページ範囲:P.83 - P.86

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 抄録:頸部広範リンパ節郭清術後に生じた副神経損傷の1例を経験したので報告する.症例は68歳女性である.術後1年半後より頸部痛および両肩倦怠感が出現してきた.入院時の所見として,両側の僧帽筋,胸鎖乳突筋の著明な筋萎縮,両肩および鎖骨肩峰端の下垂および左胸鎖関節の亜脱臼が認められた.単純X線像では両側肩甲骨上部の外転,両鎖骨肩峰端の下方偏位,左鎖骨胸骨端の上方偏位が認められた.本例のような陳旧性副神経損傷では,神経縫合術によって僧帽筋の機能回復を得ることは困難で機能再建術の適応となる.機能再建術にはEden-Lange法とDewar法が報告されているが,筆者らはDewar法では肩甲骨の不安定性の再現が危惧されたため,Eden-Lange法を選択した.術後症状の改善がみられ,X線所見で鎖骨肩峰端の下垂が消失していることから,Eden-Lange法が本症の治療法として有用であると考えた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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