icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻1号

1994年01月発行

文献概要

臨床経験

急性脊髄硬膜外血腫の自然回復例

著者: 高田章弘1 浅井達郎1 坂本勇二郎1 前中孝文1 皷敏光1

所属機関: 1市立豊中病院整形外科

ページ範囲:P.87 - P.90

文献購入ページに移動
 抄録:MRIにて診断しえた急性脊髄硬膜外血腫の自然回復例を経験したので,文献的考察を加え報告する.症例は37才女性.突然の背部激痛,両下肢麻痺のため当科入院となる.発症後7日目のMRIで第6頸椎から第1胸椎にかけて脊柱管の腹側にT1でhigh intensityのmassを認めた.特徴的な臨床症状とMRI所見から急性脊髄硬膜外血腫と診断した.入院時,ほぼ完全麻痺であった下肢筋力は発症後6時間で両足趾の筋力から回復を示し,発症後18時間で筋力は2~2と改善,発症後11日で歩行可能となった.発症後34日目のMRIでは病変部は完全に消失していた.従来,可及的速やかな手術的治療が必要とされてきたが,本症例のように麻痺出現後早期,即ち24時間以内に回復傾向を示す場合は保存的に経過観察するべきであると思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら