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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻1号

1994年01月発行

文献概要

臨床経験

巨大な仙骨神経鞘腫の1例

著者: 河野茂1 楠崎克之1 長谷斉1 西浦博1 平澤泰介1

所属機関: 1京都府立医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.99 - P.102

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 抄録:症例は20歳女性.主訴は生理不順で中学生頃より強い便秘の既往がある.自覚症状は認めず,他覚的に右殿部圧痛,右アキレス腱反射の消失,両下肢の知覚低下及び軽度の筋力低下を認めたが,膀胱直腸障害はなかった.単純X線,CTで仙骨はSI以下が融解していた.またMRIでは病巣はT1で低,T2で高信号に抽出され,大きさは約12×11×8cmであり,子宮,膀胱,直腸を圧迫していた.血管造影では新生血管の増生が認められたが,血管壁の不整や貯留像は認めず,生検にて神経鞘腫と診断された.前方後方より全摘出を行い右S2以下の神経根は腫瘍とともに切除し,自家骨移植を追加した.術後陰部に限局性の知覚障害を認めるのみで膀胱直腸障害等は認めず2週間後より歩行可能であった.仙骨部の腫瘍は稀であり,しかもその約半数は脊索腫であるが,本例は脊索腫との鑑別は比較的容易であった.また発生機序より考えると,本腫瘍を骨原発腫瘍に入れることについて一度再考する必要があると考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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