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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻10号

1994年10月発行

文献概要

論述

腰痛の伝達経路に関する考察―L2神経根ブロックによる検討

著者: 中村伸一郎1 高橋和久1 山縣正庸1 村上正純1 菅谷啓之1 関川敏彦1 森永達夫1 安原晃一1 守屋秀繁1 高橋弦2

所属機関: 1千葉大学医学部整形外科 2国立精神神経センター国府台病院整形外科

ページ範囲:P.1097 - P.1102

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 抄録:腰痛が交感神経求心路によって伝達されると考え,慢性腰痛患者20名に交感神経の最下位髄節であるL2神経根のブロックを行った.全例で疼痛部位を含む腰殿部に痛覚鈍麻域が出現し,ブロック側の腰痛が消失または著明に軽減した.痛みの程度を示すvisual analog scale(20点満点)はブロック前平均10.2±4.4から0.9±1.4に減少した.殿部痛を認めた8例では全例痛みが消失した.下腿部痛は7例中1例で消失,1例は軽減し,5例は不変であった.SLR testは陽性の6例全例で不変であった.ブロックの効果持続時間は1.5時間~97日,平均20.8日で,9例で1週間以上,うち6例は1カ月以上であった.以上より腰痛の伝達経路はL2神経根を通る交感神経求心路であると考えられた.またL2神経根ブロックは腰痛の保存療法の1つとして有効であることが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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