icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻10号

1994年10月発行

文献概要

論述

外傷性肩関節前方不安定症に対する二重CT関節造影

著者: 鈴木克憲1 三浪明男1 末永直樹1 木村長三1 金田清志1 福田公孝2 高橋修司3

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科 2北海道社会保険総合病院整形外科 3札幌北楡病院

ページ範囲:P.1103 - P.1106

文献購入ページに移動
 抄録:外傷性肩関節前方不安定症は,主として既往歴により,反復性脱臼と亜脱臼に分類されている.今回の目的は二重造影CT関節造影(以下,CTA)により,両者の病態を明らかにすることである.脱臼群は45例46肩,平均年齢は25歳,亜脱臼群は39例41肩,平均年齢は23歳であった.全例に対して,CTAを施行し,関節内病変を検討した.前下方関節上腕靱帯-関節唇複合体の破綻(Bankart lesion)をCTA画像上,関節唇の破綻としてとらえると,脱臼群においては,43例(93%),亜脱臼群では28例(68%)に前下方の関節唇損傷を認め,Bankart lesionの存在が考えられた.亜脱臼群の32%にはBankart lesionは認められなかった.外傷性前方不安定症の治療を考慮する時,脱臼,亜脱臼という現象をとらえるよりも,主病変を明らかにすることが重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら