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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床経験

馬尾神経に発生した多発性神経鞘腫の1例

著者: 鈴木裕彦1 真鍋等1 大石達生1 細川雅永1 芳賀千明2 池田規畝子3

所属機関: 1高松平和病院整形外科 2北海道勤医協中央病院整形外科 3国立療養所高松病院整形外科

ページ範囲:P.1139 - P.1142

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 抄録:1本の馬尾神経より発生した多発性神経鞘腫を経験したので報告する.患者は45歳,男性.主訴は腰痛,右下肢痛.1991年末頃より腰痛と右膝部痛が出現その後疼痛が増強し,当科受診した.入院時,神経学的に異常はなかったが,MRIにて,腰部硬膜管内に3個の占拠性病変を認めた.術中,1本の馬尾神経に連なる大小8個の腫瘍を認め,馬尾神経とともに摘出した.病理組織所見では定型的な神経鞘腫であった.
 多発性脊髄腫瘍の発生頻度は少なく,全脊髄腫瘍のうち3~4%と報告されている.また,本邦における馬尾多発性神経鞘腫の報告は9例であり,そのうち単一の馬尾神経からの発生例は,1例しか報告されていない.本症例は非常に稀な1例であった.治療は多発発生も考慮したうえで,完全摘出が必要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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