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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床経験

アテトーゼ型脳性麻痺に伴った頚椎症性脊髄症の1手術例

著者: 吉田澄子1 佐藤光三1 阿部栄二1 岡田恭司1 島田洋一1 松永俊樹1

所属機関: 1秋田大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1155 - P.1158

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 抄録:症例は65歳,男性のアテトーゼ型脳性麻痺患者で,主訴は四肢脱力,歩行困難である.四肢の著明な痙性麻痺と膀胱直腸障害があり,C5レベル以下に知覚鈍麻があった.X線上,椎体前後径の増大と前方への著明な骨棘形成があり,C2/3で20゜の後弯変形と7mmの前方辷りが認められ,脊柱管前後径はC3,4で12mmであった.脊髄腔造影ではC2/3の完全ブロック像を呈し,CTMではC2/3-C5で脊髄の圧排変形が認められた.MRIではC2/3-C4で脊柱管狭窄と脊髄の著明な萎縮がみられた.手術は不随意運動に対し強固な内固定が必要と考え,C2-C4に前方からCasper plate,後方からRoy-Camille plateを用いて固定し,椎弓切除を行った.C5は棘突起縦割法脊柱管拡大術を行った.術後早期より頚椎カラー装着のみで離床し,不随意運動も軽快した.術後2年の現在,痙性四肢麻痺,巧緻運動障害,膀胱直腸障害は著明に改善した.画像上,後弯変形は改善し,骨癒合も良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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