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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床経験

胸腰椎部に発生した硬膜外くも膜嚢腫の1例

著者: 米津浩12 小川維二1 樋笠靖1 五味徳之1

所属機関: 1大樹会回生病院整形外科 2高知市民病院整形外科

ページ範囲:P.1159 - P.1162

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 抄録:胸腰椎部に発生した硬膜外くも膜嚢腫の1例を経験したので報告する.症例は63歳女性,腰痛を主訴に来院した.胃潰瘍の既往があるが,外傷歴,腰椎穿刺の経験はない.単純X線にてL1,L2椎弓根の菲薄化,椎弓根間距離の拡大を認めた.MRIにおいてT1強調像では脊柱管内後方にTh11/12レベルよりL3椎体中央レベルにいたる低輝度のmass lesionを認め,脊柱管前後径は拡大していた.また,同レベルにおける脊髄の前方への圧排を認めた.T2強調像においても同部位に高輝度のmass lesionを認めた.1993年5月12日手術を施行した.嚢腫は白色で光沢を有し,呼吸性の拍動を認めた.その辺縁は硬膜と線維性に軽く癒着するも剥離は容易であった.一般にくも膜嚢腫の手術成績は良好で再発も少ないとされている.可能な限り嚢腫を摘出するのは当然であるが,交通孔を発見し,これを縫合,閉鎖することが重要である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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