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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻10号

1994年10月発行

文献概要

臨床経験

胸腰椎前方手術に合併した胸管損傷の2例

著者: 小田伸悟12 清水克時1 松下睦1 飯田寛和1 四方實彦1 山室隆夫1 乾健二3 和田洋巳3

所属機関: 1京都大学医学部整形外科 2公立豊岡病院整形外科 3京都大学医学部胸部外科

ページ範囲:P.1185 - P.1188

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 抄録:胸管損傷は脊椎外科の合併症としてごくまれに起こる.われわれは,1985(昭和60)年以降の7年間に胸腰椎前方手術に合併した胸管損傷を2例経験した.症例1:42歳,男性.腰椎OPLLに対し腰椎後方除圧固定術,のちに腰椎前方固定術を行った.腰椎前方固定術術後2日目,後腹膜チューブからの排液に乳糜を認めた.症例2:45歳,女性.陳旧性第1腰椎破裂骨折,後弯変形に対し,胸腰椎前方後方除圧固定,変形矯正を行った.術後1カ月目,左下肺野に液貯留がおこり,穿刺により乳糜を認めた.症例1はIVHと絶食による保存的療法のみで,症例2は保存的治療,胸膜癒着療法,観血的治療を組み合わせて治癒した.本症は希な合併症で感染との鑑別を要するが,本症を念頭におくことにより診断可能である.おおむね予後は良好である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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