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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻11号

1994年11月発行

文献概要

論述

骨肉腫における術前化学療法の組織学的効果判定と予後との相関性について

著者: 蛭田啓之1 亀田典章1 川口智義2 松本誠一2 真鍋淳2 黒田浩司2 土谷一晃3 秋間道夫4 野中博子4 町並陸生5 北川知行5

所属機関: 1東邦大学佐倉病院病理 2癌研究会付属病院整形外科 3東邦大学第一整形外科 4東邦大学第一病理 5癌研究会癌研究所病理

ページ範囲:P.1221 - P.1229

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 抄録:治療前に転移がなく,術前に化学療法のみを行った骨肉腫31例を用いて,組織学的治療効果と予後との相関を検討した.悪性骨腫瘍取扱い規約の効果判定基準に厳密に従うと,31例中25例がGrade0に判定され,予後との相関が乏しく,実際の効果を明瞭に反映していないと思われた.術前治療を行わなかった症例や治療前生検と切除標本との比較検討から,細胞密度が著明に低下した領域,すなわち少数の腫瘍細胞が残存していても比較的成熟した類骨形成や線維化が目立つ領域も化学療法の効果による変化と考えられた.壊死以外に,このような組織変化も有効領域として評価に加え,Gradeの設定を若干変更して判定すると,組織学的効果と予後との相関が明瞭となり,臨床的治療効果判定ともよく一致した.したがって,viable cellが残っていても,この様な有効領域を十分に評価することが,組織学的効果判定に臨床的意義を持たせる上で重要であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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