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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻11号

1994年11月発行

文献概要

臨床経験

脊髄硬膜外血管脂肪腫の1例

著者: 笠島俊彦12 倉上親治1

所属機関: 1帯広厚生病院整形外科 2北海道大学医学部整形外科

ページ範囲:P.1249 - P.1252

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 抄録:今回我々は,胸髄硬膜外血管脂肪腫の1例を経験した.症例は59歳の男性で,両下肢シビレ感,脱力を主訴とした.神経学的に,両側第1腰髄節以下の知覚低下,腸腰筋以下の筋力低下,下肢腱反射の亢進を認めた.脊髄腔造影,CTMで脊髄がTh10-11レベルで硬膜外より圧排されていた.MRIではT1強調像で等輝度と高輝度の混在像,T2強調像では高輝度,そしてGdにより増強効果を示す腫瘤を認めた.以上より,Th10-11の硬膜外腫瘍と診断し,腫瘍摘出術を施行した.病理診断は血管脂肪腫であった.術後,1ヵ月で筋力は完全に回復し,軽度の知覚低下を残すのみである.硬膜外腫瘍を診断する場合,術前にその性状まで確定診断をつけることは不可能であるが,血管脂肪腫の場合,MRIで特徴的な像を示すため術前にある程度の予想は可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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