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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻11号

1994年11月発行

文献概要

臨床経験

母指球部皮膚を用いた新しい知覚皮弁

著者: 面川庄平1 水本茂1 岩井誠1 福居顕宏2 玉井進2

所属機関: 1奈良国保中央病院整形外科 2奈良県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.1285 - P.1290

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 抄録:手指の知覚再建に,模骨動脈浅掌枝を栄養動脈とする母指球橈側部の皮膚を用いた新しい知覚皮弁を考案した.皮弁の支配神経は橈骨神経浅枝の分枝である.知覚獲得の可能な範囲は母指球橈側部の約3×5cmであるが,橈骨動脈弁皮と連続させてさらに大きな皮弁を採取することができる.今回,2症例に対して本皮弁移植を施行した.症例は21歳,18歳の男性で,いずれも有茎皮弁術後の母指および示指の知覚再建を目的に本皮弁を遊離移植した.皮弁の大きさはそれぞれ5×15cm,3.5×5cmで,神経は指神経に縫合し橈骨動脈を同時に再建した.術後平均13カ月の現在,S-W testで3.22(blue),m-2PDで平均5mmと知覚回復は良好である.本皮弁の利点は,皮膚の構造が指腹部と類似していること,皮弁採取部には機能障害が残らないこと,足からの遊離皮弁と比べて手技的に容易であり患肢から採取可能なことなどであり,手指の知覚再建に新しい選択肢となり得る.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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