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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻11号

1994年11月発行

文献概要

臨床経験

外傷性三角線維軟骨損傷の鏡視下部分切除後に再断裂を生じた2症例の経験

著者: 西川真史12 一柳一朗1 新戸部泰輔1 三東武司1 小野睦1

所属機関: 1八戸市立市民病院整形外科 2むつ総合病院整形外科

ページ範囲:P.1291 - P.1294

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 抄録:手関節鏡は,三角線維軟骨(以下TFCと略す)損傷の診断・治療に有用で,鏡視下TFC部分切除が行われる.今回,部分切除後に再断裂例を経験したので,検討を加えて報告する.切除範囲は鏡視下に前腕回内外してTFCの動きを観察し,断裂辺縁が尺骨に引っ掛かったり持ち上がる部分のみとしている.現在まで65例65関節に鏡視下部分切除を施行しTFC再断裂を経験した2例を対象とした.
 2症例とも2回目の断裂がTFCの切除辺縁部位に連続する表層断裂であった.このことは2例ともTFCが厚く切除辺縁部分が切り立っていたことから,尺骨と手根骨で挾まれて断裂辺縁が擦り切れるようなストレスがかかって表層断裂を生じたと考えている.結論として,TFC部分切除は前腕回内外での尺骨頭への引っ掛かりがなくなるまでの範囲とし,さらにTFCが厚い場合は切除辺縁を段差なくスムースになるように十分トリミングすることが大切であると考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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