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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻12号

1994年12月発行

文献概要

論述

大腿部の悪性軟部腫瘍手術による骨格筋欠損と下肢機能障害

著者: 平野徹1 神代敏之2 岩崎勝郎1

所属機関: 1長崎大学医学部整形外科 2国立佐賀病院整形外科

ページ範囲:P.1311 - P.1316

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 抄録:大腿部の骨格筋欠損と下肢機能障害との関連性を検討するため,患肢温存手術を行った悪性軟部腫瘍22例の切除範囲と術後患肢機能を調べた.骨格筋欠損の程度を評価するため,切除筋を内側広筋,大腿直筋,外側広筋,内転筋群,内側屈筋群,大腿二頭筋および大腿近位部での腸腰筋の7区画に分けた.患肢機能は,日整会骨・軟部腫瘍委員会評価法(自己満足度を除く5項目:25点満点)で判定した.その評価スコアは,切除区画が1つから3つや4つになるにつれて平均23.8点から16.6点まで有意(P<0.01)に低下した.具体的には,切除区画が1つではほとんど障害がなかったが,2つになると坂道や階段昇降に支障をきたし,3つあるいは4つになると屋内動作に障害が起きていた.以上のような骨格筋欠損と下肢機能障害の関連性から,大腿部の悪性軟部腫瘍手術に伴う温存患肢機能を術前に予測できる可能性が示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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