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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻12号

1994年12月発行

文献概要

臨床経験

第1染色体長腕逆位を伴うcleidocranial dysplasiaの1症例

著者: 川上寛1 渡部健1 浦田士郎1 矢崎進1 大脇義宏1 山田高士1 湯川泰紹1 神谷光広1 濱邊卓也1 稲垣善幸1

所属機関: 1安城更生病院整形外科

ページ範囲:P.1373 - P.1376

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 抄録:症例は3ヵ月男児,主訴は鎖骨の異常可動性.単純X線写真において両鎖骨の偽関節様の変化と大泉門の開大を認め,cleidocranial dysplasiaと診断した.cleidocranial dysplasiaは,鎖骨の欠損または形成不全,頭蓋縫合骨化遅延,歯牙萌出遅延,遺伝性を特徴とする稀な骨系統疾患である.本邦では1936年の羽根田以来,われわれの渉猟した限りでは,250例が報告されているが,そのうち1歳以下で診断されたのは,われわれのものも含めて,わずか18例に過ぎない.今回,われわれが経験した症例は,3ヵ月検診における鎖骨と頭蓋骨の注意深い触診により診断しえた.また,本症例では,染色体検査にて,第1染色体長腕逆位を認めた.本疾患は,先天性疾患にもかかわらず,染色体異常を生じたという報告は少なく,貴重な症例といえるので若干の文献的考察を加えて報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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