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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

論述

Knee Arthrometer(KT-2000)による後十字靱帯損傷膝の不安定性の評価について

著者: 今本雅彦1 松本秀男1 冨士川恭輔1 竹田毅1 中村光一1 阿部均2

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室 2北里研究所病院スポーツクリニック

ページ範囲:P.230 - P.234

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 抄録:PCL損傷膝の不安定性の徒手検査は一般に仰臥位で行うが,この肢位では下腿自重のため脛骨顆部が既に後方に変位しているので,不安定性が前方か後方かの判定や細かい病態の把握が困難なことが少なくない,今回我々はKT-2000 Knee Arthrometerを用いて,臨床的にPCL単独損傷と診断した19例19膝(健側を対照)について133N前方負荷時,89N後方負荷時の関節の前後方向変位量,stiffnessを計測した.その結果,前後総変位量は患側が健側より増大し(P<0.01),測定開始時のstiffnessは患側が健側に比し低下していた(P<0.01),しかし前方および後方負荷時のstiffnessは患健側間に有意差を認めなかった.今回の計測により,臨床的にPCL単独損傷と診断される例の中にもPCLを中心とした膝後方制動機構に様々な病態があり,時にはsubclinicalなACL機能不全を合併している例が存在することが示唆された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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