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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

論述

中高齢者における前十字靱帯再建術の検討

著者: 豊田敬1 冨士川恭輔1 松本秀男1 竹田毅1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.241 - P.246

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 抄録:Leeds-Keio人工靱帯による前十字靱帯(以下ACL)再建術を施行した40歳以上の症例26例27膝の術後成績を検討した.術中14膝に半月板損傷を,17膝にgrade 2以上の軟骨変性を認めた.術後は27膝中25膝に良好な関節安定性が得られ,4膝に軽度の関節可動域制限を認めた,日常生活動作中の疼痛は5膝に認めたが,大腿内側顆のgrade 2以上の軟骨変性に内側半月板切除が加わると有意に疼痛の発生頻度が高かった.中高齢者は既に関節軟骨や半月板の退行性変性など変形性関節症(以下OA)の基盤が高率にあり,これが術後疼痛の原因となり易いことなどから,一般にACL再建術の適応外とされている.しかし今回の結果より,中高齢者においても多くの症例で良好な関節安定性が得られスポーツ活動に復帰しており,患者の活動性,関節不安定性の程度,motivation,OA変化の程度を慎重に考慮すれば,若年者に劣らぬ術後成績が期待できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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