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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

論述

先天性筋性斜頸の長期予後

著者: 野口康男1 井原和彦1 杉岡洋一1 大石年秀2

所属機関: 1九州大学医学部整形外科 2三信会原病院整形外科

ページ範囲:P.267 - P.270

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 抄録:筋性斜頸は自然治癒率が高いが,その長期予後の研究は少ない.今回我々は,当科を昭和50年以降に生後3カ月以内で受診し,徒手筋切り術を施行することなく経過観察し1歳6カ月以上となっている203例について追跡調査を行なった.このうち1歳以後まで経過観察されていた97例のうち17例が手術を受けており,手術を要する割合は10~20%程度と推定された.また,今回追跡調査可能な68例について遺残変形を検討したところ,矯正可能な2°以上の斜頭位45%,2°以上の顔面の側彎33%,斜頭指数0.95以下の斜頭変形61%,5mm以上の頭部の側方変位39%など,斜頸のなごりを示す症例がしばしば見られ,筋性斜頸では高率に変形を遺残することが明らかとなった.しかしながら,その約半数は本人や家族には認識されておらず,あまり支障とはなっていなかった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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