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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床経験

ガングリオンによる浅腓骨神経絞扼障害の1治験例

著者: 菊地淑人12 高橋正憲1 植野満1 徳永祐二1

所属機関: 1東京歯科大学市川総合病院整形外科 2現浦和市立病院整形外科

ページ範囲:P.303 - P.305

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 抄録:ガングリオンによる絞扼神経障害は日常比較的よく見られる疾患であるが,浅腓骨神経の絞扼障害をきたした例は極めて稀である.今回われわれはその1例を経験したので文献的考察を加えて報告する.症例は48歳,女性.1990(平成2)年10月頃より,右足関節外側より足背にかけての疼痛が生じ,1991(平成3)年2月当院を受診した.右下腿遠位部外側に2cm大の腫瘤を触れ,同部に圧痛,およびTinel様徴候を認めた.足背外側部に知覚障害を見たが,運動障害は認めなかった,以上より神経性腫瘍を疑い,手術を施行した.手術時,浅腓骨神経の下腿筋膜貫通部近位にガングリオンと思われる多房性の腫瘍が存在し,同部で浅腓骨神経は圧迫されていた.茎部を追跡すると前脛腓靱帯から発生しているのが確認された,根部を含め腫瘍は完全に摘出した.術後直ちに疼痛は消失し,現在のところ症状の再発は見られていない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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