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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床経験

肋骨に発生した脱分化型軟骨肉腫の1例

著者: 土肥潤二1 茶野徳宏1 石沢命仁1 松本圭司1 福田眞輔1 岡部英俊2

所属機関: 1滋賀医科大学整形外科学教室 2滋賀医科大学中検

ページ範囲:P.307 - P.310

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 抄録:脱分化型軟骨肉腫は1971年DahlinおよびBeaboutらが報告したもので,分化した軟骨肉腫に脱分化が起こり,軟骨肉腫の組織と接して未分化な線維肉腫や骨肉腫の組織が混在する腫瘍である.本邦では今まで11例の報告がある.最近我々は比較的稀な肋骨に発生した本症を経験したので若干の文献的考察を加えて報告した.症例は,80歳女性で,14年間の緩徐な経過の後,急速に増大する腫瘤と疼痛を訴えた.生検にて脱分化型軟骨肉腫と診断され当科に紹介された.治療として根治手術は事実上不可能であったが,quality of lifeを考慮しmarginal resection,放射線治療を施行した.組織学的には,gradelの軟骨肉腫組織にMFH様の組織が接していた.また臨床経過および組織所見から脱分化した部位での細胞増殖の活発な事を推測し,Bromodeoxyuridineモノクローナル抗体を用いたin vitro標識法によりこれを確認した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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