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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床経験

頸椎後方除圧と胸椎前方後方除圧固定術を行った多発性脊柱靱帯骨化症の1例

著者: 中島靖行1 清水敬親2 石井秀幸1 島田晴彦1 馬場秀幸1 宇田川英一1

所属機関: 1群馬大学医学部整形外科 2老年病研究所付属病院整形外科

ページ範囲:P.311 - P.314

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 抄録:頸胸椎にわたる多発脊柱靱帯骨化症に対してはその高位診断に苦慮する場合が多く,上肢症状など頸椎由来の神経学的所見に乏しい場合,胸椎病変に限局した除圧術が行われているが,その治療成績は必ずしも十分なものとはいえない.
 我々は,spinal cord dynamicsの観点から脊髄圧迫病変に対して,画像上圧迫が明らかである範囲に留まらず,除圧操作による脊髄の移動により新たに除圧端での脊髄係留が生じ得るという可能性を考えた.そこで,頸胸椎多発脊柱靱帯骨化症例に対し,まず頸椎から上位胸椎を広く後方除圧し,胸椎除圧により生じることが予想される頸胸移行部の脊髄係留に対処して,その後,胸椎病変部の前方除圧を行うことが望ましいと考えた.その結果,術後神経学的にも画像上も著しい改善がみられたので報告した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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