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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床経験

大腿骨骨折を繰り返した成人型ビタミンD抵抗性骨軟化症の1例

著者: 松山敏勝1 宮嶋俊定1 成田寛志2 山下敏彦2 長森正史1 坂本直俊1 石井清一1

所属機関: 1札幌医科大学整形外科 2札幌医科大学リハビリテーション部

ページ範囲:P.315 - P.319

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 抄録:72歳の女性.大腿骨骨折を繰り返して歩行が困難であったが,手術療法と1α OH VD3の大量療法で歩行が可能となった1症例を経験した.既往歴,家族歴には特記すべきことはなかった.1990年夏頃より腰背部痛を自覚して数カ所の病院で入退院を繰り返した.1991年12月12日当科を受診したが,X線像で高度の骨萎縮と骨改変層を認めた.また低リン血症と血清ALP高値を認めた.25 0H VD3は正常で,1,25(OH)2VD3は高値であった,PTH,カルシトニン,甲状腺機能は正常であった,入院中の1991年12月24日と1992年6月11日に,左大腿骨骨折を生じて手術を施行した.手術時の骨生検では著明な類骨の増加を認めて,成人型ビタミンD抵抗性骨軟化症と診断した.全身の腫瘍性病変は認めなかった.さらに1α OH VD3を4μg/日投与することで臨床症状と血清リン,ALP値が改善して,骨癒合が得られて独歩が可能となった.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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