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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻3号

1994年03月発行

文献概要

臨床経験

三角骨障害に合併した足根洞症候群の1例

著者: 小泉宗久12 杉本和也1 高岡孝典1 秋山晃一1 平井利幸1 長谷川克純1 高倉義典3 田中康仁3 玉井進3

所属機関: 1厚生連松阪中央総合病院整形外科 2現:富田林病院 3奈良県立医科大学整形外科

ページ範囲:P.331 - P.333

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 抄録:足根洞症候群は主に足関節の外傷,特に捻挫後に発症することが多いが,今回われわれは明確な外傷歴のない三角骨障害に合併した本症候群を経験した,症例は53歳の男性で林業に従事していた.主訴は左後足部痛で単純X線像にて三角骨の存在を認めた.臨床所見としてperoneal spastic flat footと外果後方の腫脹および圧痛を認めた,数回の局麻剤注入にも永続的な効果が得られなかったため三角骨摘出術を施行した,術後,後足部の疼痛は消失したが2カ月後には足根洞の疼痛が出現した.足根洞への局麻剤の注入が有効であることから足根洞症候群を疑い,足根洞搔爬術を施行した.摘出標本では組織学的に線維性組織及び脈管系組織の増生とごく軽度の円形細胞の浸潤がみられ,その炎症所見より足根洞症候群が考えられた.術後,症状は消失した.本症例では三角骨の摘出により距踵関節の不安定性が加味されて,症状が顕性化してきたと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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