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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

変性椎間板におけるbFGFの作用―動物モデルを用いた解析

著者: 永野隆1 宮本紳平1 米延策雄2 小野啓郎2

所属機関: 1大阪大学医学部整形外科学教室 2関西労災病院整形外科

ページ範囲:P.363 - P.368

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 抄録:塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF)は培養椎間板細胞の増殖・基質合成を促進するという報告がある.では,このbFGFは椎間板の変性時にも実際に作用し,病態に関与しているのであろうか? この点を明らかにする目的で,我々はラット椎間板においてbFGFを有する細胞およびFGF受容体(FGF-R)遺伝子を発現している細胞を検索し,かつそれら陽性細胞の増殖能を調べた.その結果,変性椎間板の内部(正常椎間板では線維輪に相当する位置)にはbFGFを産生しかつFGF-RmRNAを持つ軟骨細胞(正常時にはなかった)が存在し,その軟骨細胞は正常椎間板で同じ位置に存在する細胞(正常線維輪細胞)よりも旺盛に増殖していることがわかった.培養椎間板細胞に対するbFGFの既知の作用をこのモデルにも敷衍し得るならば,この結果は椎間板変性病態へのbFGFの関与を示唆するものである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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