icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

腰椎椎間板ヘルニア組織中における炎症性サイトカインの検討

著者: 高橋寛1 勝呂徹2 岡島行一2 茂手木三男2 岡田弥生3 垣内史堂3

所属機関: 1大和市立病院整形外科 2東邦大学医学部整形外科学教室 3東邦大学免疫学教室

ページ範囲:P.377 - P.382

文献購入ページに移動
 抄録:腰椎椎間板ヘルニアによる根性坐骨神経痛の発現に,ヘルニア腫瘤の機械的圧迫に加えて,ヘルニア組織中に存在する炎症性サイトカインの関与を想定し検討を行った.ヘルニア組織中からは各種炎症性サイトカインの検出が可能であった.サイトカイン産生細胞として,protrusion typeでは軟骨細胞,extrusion,sequestration typeでは,組織球,線維芽細胞,血管内皮細胞などの肉芽組織を構成する様々な細胞であることが知られた.ヘルニア組織培養上清中からは,各種炎症性サイトカインと催炎物質であるプロスタグランジンE2の産生が確認され,これらはステロイド剤の添加により抑制された.以上の結果より,腰椎椎間板ヘルニアによる根性坐骨神経痛発現の主要因の一つとして,ヘルニア組織中のサイトカインの作用により,椎間板組織あるいは肉芽組織中に産生されたプロスタグランジンE2による神経根の炎症性刺激が考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら