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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

脱出腰椎椎間板の組織学的検討―吸収過程の存在について

著者: 伊藤拓緯1 山田光則1 生田房弘1 福田剛明2 本間隆夫3 内山政二3 高橋栄明3 星信一4 河路洋一5

所属機関: 1新潟大学脳研究所実験神経病理学部門 2新潟大学医学部第2病理学教室 3新潟大学医学部整形外科学教室 4水原郷病院整形外科 5新潟中央病院整形外科

ページ範囲:P.409 - P.412

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 抄録:sequestration typeの腰椎椎間板ヘルニアに対する生体反応を明らかにすることを目的に,手術時に摘出されたヘルニア組織を光顕ならびに免疫組織化学的に検索した.18例中16例のヘルニア組織の線維軟骨部の辺縁部に正常では存在しない多数の小血管が認められ,これらは椎間板が脱出した後に新生したものと考えられた.新生血管周囲には多数のマクロファージが存在し,さらに,通常の染色で線維芽細胞に見える細胞の多くも免疫組織化学的にマクロファージである可能性が示された.検索したいずれの例でも線維性瘢痕組織は認められなかった.以上から,脱出した椎間板は器質化されて線維性瘢痕になるのではなく主としてマクロファージにより吸収されるものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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