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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

硬膜外へ脱出した腰椎椎間板ヘルニアの運命―MRIと免疫組織学的検討から

著者: 東村隆1 野原裕1 石川宏貴1 佐藤英章2 山口比呂美2

所属機関: 1獨協医科大学越谷病院整形外科 2獨協医科大学越谷病院病理

ページ範囲:P.413 - P.421

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 抄録:硬膜外へ脱出した腰椎椎間板ヘルニアの手術摘出標本にHE染色による組織学的検索及びモノクローナル抗体を用いた免疫組織学的検索を行った結果と硬膜外脱出ヘルニアが自然消失した対照例の比較から硬膜外へ脱出した椎間板ヘルニアに対する生体反応につき検討を加えた.術中所見によるヘルニア分類でsequestration typeはII例にみられ,そのうち9例にHE染色で脱出髄核の表面と周囲結合織に炎症細胞の出現を認めた.その細胞は,免疫組織学的検索からマクロファージ,T細胞であった.しかし,protrusion,transligamentous typeと線維輪成分には細胞浸潤は認められなかった.これら9例と非手術対照群7例の臨床経過,臨床症状・所見,画像所見は極めて類似していた.このことから硬膜外へ脱出したヘルニアは,マクロファージ/T細胞による異物反応で吸収され,消失するまでの期間は髄核成分がほとんどであれば,脱出から12~16週の間と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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