icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

神経根における異所性発火発現および抑制因子について―in vitro実験モデルによる解析

著者: 熱田裕司1 岩原敏人1 菅原修1 村元敏明1 渡壁誠1 竹光義治1

所属機関: 1旭川医科大学整形外科学教室

ページ範囲:P.441 - P.448

文献購入ページに移動
 抄録:神経根障害の病態生理を機能的側面から検討するため,成犬腰髄より採取した神経節付き後根を用いてin vitro標本を作成し,異所性発火の発現及び抑制様式を解析した.機械的圧迫刺激による異所性発火発生閾値は,線維部より神経節部において有意に低かった.低酸素負荷を加えると神経節由来の発火が誘発され,機械的閾値もさらに低下した.低酸素以外に,正常髄核コンドロイチン硫酸C,サブスタンス-Pを投与した場合に小数ユニットの反応性発火を認め,これらは単独で異所性発火を誘発しうる化学因子と推定された.一方,ブラディキニン,プロスタグランジンE2,セロトニンなどは発火を誘発しなかった.低酸素負荷に誘発された発火に対してメチルB12,トリアムシノロン,塩酸工ペリゾンは即時的な抑制効果を示した.今回得られた結果は,神経根障害による痛みやしびれ,あるいは間欠性破行の病態と治療の意義を理解する上で重要な知見と思われた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら