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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

腰椎後方手術は馬尾集合と硬膜異常収縮を誘発する―MRIによる実証と病理

著者: 松井寿夫1 金森昌彦1 川口善治1 遊道和雄1 辻陽雄1 二谷立介2

所属機関: 1富山医科薬科大学整形外科学教室 2富山医科薬科大学放射線基礎医学教室

ページ範囲:P.449 - P.455

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 抄録:腰椎後方侵襲後の馬尾集合癒着および硬膜管収縮が発生し得ることを術後経時的MRIにより明らかにし,その発生機序および臨床的意義について考察を加えた.後方手術を行った腰椎変性疾患10例(椎間板ヘルニア7例,脊柱管狭窄症2例,その他1例)を対象とし,術前,術後3日,1週,3週,および6週目にT2強調横断MRIを撮像した.馬尾集合癒着はすべての例で椎弓切除が行われた.L4-5レベル(n=10)において最も強い変化を認め,術後6週ても10例中9例に馬尾のpartial groupingが見られた.背筋展開のみで椎弓切除を施していないL3-4レベル(n=8)では馬尾集合癒着は術後1週まではL4-5レベルと同程度であったが,術後6週では半数がpartial groupingとなり,その回復は比較的速かった.椎弓切除を行っていないL5-Sレベル(n=7)では全般的に馬尾集合癒着は軽度であった,硬膜管収縮はレベルに拘らず侵襲部位で観察されたが,術後3週で術前の状態に回復した.馬尾集合癒着および硬膜管収縮は椎弓切除ないしは椎間板切除操作と密接に関連し,その機序には組織修復過程における広義の炎症性変化が関与するものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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