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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

脱出椎間板の自然吸収と臨床的意義

著者: 中村孝文1 池田天史1 千田治道1 高木克公1 瀬井章1 福山紳1 梅田修二1

所属機関: 1熊本大学医学部整形外科学教室

ページ範囲:P.465 - P.469

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 抄録:最近腰椎椎間板ヘルニアが,自然縮小するという報告が散見される.今回,保存的に加療した脱出型ヘルニアと思われる9例についてMRI上のヘルニア塊の大きさの変化を観察した.その結果,全例にヘルニアの縮小が認められ,早いものでは2カ月で消失した.また,手術時に採取した椎間板ヘルニア30例の組織学的検討から後縦靱帯を穿破しているヘルニア塊の周辺にマクロファージを主とする炎症細胞の集合が多く認められた.さらに,日本白色家兎の自家尾椎椎間板の硬膜外移植実験では,移植後4日で既にマクロファージが集合しており,4週の時点では移植した椎間板は,著しく縮小していた.以上の結果から,脱出ヘルニアが縮小および消失することが明らかとなり,またそのメカニズムはphagocyteによる消化吸収と考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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