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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

椎体終板における微細血管構造の走査型電子顕微鏡による観察―椎体終板内の部位による形態の差について

著者: 沖貞明1 松田芳郎1 柴田大法1 安達永二朗1

所属機関: 1愛媛大学医学部整形外科

ページ範囲:P.477 - P.482

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 抄録:椎間板は無血管組織であり,その栄養路は椎体終板及び線維輪を介するdiffusionとされている.椎体終板のなかでも線維輪に近い周辺部分よりも,髄核に近い中央部分において溶質の透過性が高く,vascular budsと呼ばれる微細血管構造が透過性に関与し,重要視されている.今回我々は家兎を用い,椎体終板の中央に近い部分と周辺に近い部分におけるvascular budsの形態の差を,血管鋳型を用いた走査型電子顕微鏡によって観察し,比較検討した.両部位において,単位面積あたりのvascular budsの数に差は認められなかった.しかしvascular budsの形態に関しては,椎体終板の周辺に近い部分ではUターンをしただけの簡単な形をしたループ構造であるのに対し,中央に近い部分では複雑な房状の形を呈し,各々異なる形態を呈していた.椎体終板の部位によるvascular budsの形態の差は,vascular budsの持つ椎間板への栄養路としての機能の差を反映するものと考えている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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