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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

腰椎変性疾患における腰部神経根障害の種々相―電気生理学的アプローチからみた病態

著者: 乗上啓1 松田英雄1

所属機関: 1大阪市立大学医学部整形外科

ページ範囲:P.483 - P.490

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 抄録:第5腰神経根障害を呈した椎間板ヘルニア(LDH),外側型脊柱管狭窄(L-LSS)及びfailed back syndrome(FBS)などの後方除圧直後に総腓骨神経を刺激することによって,第5腰神経根と坐骨神経の活動電位を導出した.それらと臨床症状との対応から,それぞれの病態につき検討した.さらに総腓骨神経に50Hzで3分間,高頻度刺激(HFS)負荷を与え,電位の経時的変化を観察した.結果は以下のごとくであった.①脱出型LDH例では伝導遮断に対応する陽性化波形が特徴的であった.L-LSSやFBS例での神経根活動電位の著明なtemporal dispersionと低振幅化は神経根の単なる慢性圧迫のみならず,血液循環不全が根幹となって著しい伝導遅延をきたす神経線維の存在を反映したものと推察された.②HFS負荷による電位の低下と回復遅延現象は神経根の酸素消費増加にその補給が追いつかないための相対的虚血状態を反映したものであることを虚血モデル実験から示した.この病態は神経根性間欠跛行の主因をなすものと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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