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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

頸椎後縦靱帯骨化症の骨化進展と椎間板ひずみ分布の関係

著者: 松永俊二1 酒匂崇 武富栄二 永山徳太郎 中西賢二2

所属機関: 1鹿児島大学医学部整形外科 2鹿児島大学工学部機械工学科

ページ範囲:P.507 - P.513

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 抄録:頸椎後縦靱帯骨化症の骨化進展における頸椎の動的因子の関与を知る目的で,工学的真ひずみ計算式による生体力学的解析法を用いて椎間板のひずみ分布を調べた.101例の頸椎後縦靱帯骨化症患者を対象とし,全例について初診時頸椎動態側面X線写真をコンピューターに入力し椎間板のひずみ分布を計算した.5年後に再度X線写真を撮影し進展の有無と椎間板のひずみ分布を調べた.初診時に椎間板のひずみ分布が均等ではない症例のうち連続型の79%,混合型の78%,分節型の65%に椎間板のひずみ分布異常部に骨化進展が生じた.ひずみの方向との関係では椎間板が伸張方向に偏位し後縦靱帯に張力が作用した部位で高率に骨化進展が認められた.椎間板のひずみが均等に分布していた症例では連続型の22%,混合型の29%,分節型の17%のみに骨化進展が認められた.頸椎後縦靱帯骨化症の骨化進展には脊椎の動的因子の関与が大きいことが本研究で生体力学的に証明された.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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