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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻4号

1994年04月発行

文献概要

特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)

卵巣摘出の既往別にみた腰椎変性すべり症の発症因子―特にその脊椎形態の寄与とその意義

著者: 今田光一1 松井寿夫1 辻陽雄1

所属機関: 1富山医科薬科大学整形外科

ページ範囲:P.515 - P.521

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 抄録:腰椎変性すべり症女性患者105例を症例とするcase-control study,および卵巣摘出患者69例と非摘出患者69例における腰椎変性すべり症の発症頻度の比較から,腰椎変性すべり症女性患者においては卵巣摘出の既往が発症危険因子であることを明らかにした.また,脊椎形態学的因子の関与につき卵巣摘出の既往の有無に分けてX線学的に検討したところ,椎弓角の増大および椎間関節の矢状面形態が卵巣摘出既往の有無に関係なく関与していると判断された.しかし,腰仙角の増大と椎間間隙狭小化の2つのパラメターは卵巣摘出の既往のある変性すべり症例には殆ど認められなかった.この事実から,腰椎変性すべり症の発症には局所因子としての椎弓角増大と椎間関節の矢状面形態はともに関与する可能性があるが,卵巣摘出に基づくおそらく性内分泌の変調という全身因子の関与は大きいと考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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