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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

論述

内側型変形性膝関節症に対する高位脛骨骨切り術が内側および外側関節症に与える影響―10年以上経過例の検討

著者: 葛城良成1 安田和則1 真島任史1 金田清志1

所属機関: 1北海道大学医学部整形外科教室

ページ範囲:P.535 - P.541

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 抄録:内側型変形性膝関節症に対する高位経骨骨切り術(HTO)後10年以上経過した24例26膝を対象としてHTOが内側および外側関節症に与える影響を調査し,それらと術後骨癒合時の大腿脛骨角(FTA)との関係について検討した.評価にはNguyenの方法および筆者らがこの度開発した「重ね合わせ法」の2つのX線学的評価法を用いた.いずれの評価法においても内側および外側関節症変化の進行を認めたが(内側P<0.01,外側P<0.05),この進行の程度に関して内外側間に有意差は認めなかった.内側関節症の進行とFTAの間には有意の正の相関が認められ(P<0.05),過矯正の方が内側関節症の進行が少なかった.しかし,外側関節症とFTAの間には相関は認められず,著しい過矯正にするほど外側関節症が急激に進行するという傾向はなかった.この結果は日本人におけるHTOの目標矯正角度をFTAで164°~168°とすることの妥当性を示唆した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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