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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

論述

65歳以上の高齢者に対する腰椎instrumentation手術の成績とその問題点―骨癒合の検討を中心に

著者: 平林茂1 熊野潔1 小川裕1 青田洋一1 内田宗志1

所属機関: 1関東労災病院整形外科

ページ範囲:P.563 - P.570

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 抄録:高年齢という要因が腰椎変性疾患に対するinstrumentation手術に及ぼす影響を知る目的で,65歳以上の高齢群と65歳未満の若年群との手術成績を,骨癒合を中心に比較検討した.高齢群は38例(男性20例,女性18例,65~78歳,平均術後経過2年11カ月),若年群は97例(男性50例,女性47例,17~64歳,平均術後経過3年5カ月)であった,いずれもCD pedicle screwを用い,95例では1椎間,40例では2椎間以上を固定した.優または良の手術成績は,高齢群では67.6%,若年群では72.2%,骨癒合はそれぞれ86.7%,94.0%で得られ両群に有意の差はなかった.一方,PLIFを行わなかった症例では,両群あわせて骨癒合不全は1椎間固定例の6.5%,2椎間以上固定例の20.8%に生じ,両者には5%以下の危険率で有意差があった.骨癒合は年齢,骨粗鬆化の程度よりも固定椎間数に影響を受けた,年齢にかかわらず固定範囲はできるだけ限定する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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