icon fsr

文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

手術手技シリーズ 最近の進歩

脊髄正中離開症(Diastematomyelia)に対する手術

著者: 四方實彦1

所属機関: 1京都市立病院整形外科

ページ範囲:P.571 - P.579

文献購入ページに移動
はじめに
 diastematomyelia(split spinal cord:脊髄正中離開)は椎体後面より椎弓にかけて存在する骨,軟骨,あるいは線維性の組織からなる中隔(septum)により脊椎管が縦に二分され,脊髄や馬尾が長軸方向に二分された状態(図1)であり,脊髄閉鎖不全症(spinal dysraphism)の範疇に属している.二分された脊髄はそれぞれ別個のくも膜,硬膜で覆われており中隔の頭側,尾側で癒合して本来の正常な一本の脊髄となっている.James4)らは中隔を有する症例20例中16例が骨性,3例が線維性,1例が混合型であったと報告している.1837年,Olliver9)らにより初めてdiastematomyeliaの概念が確立された.その後1940年,Herrenら3)が43例の臨床例をまとめ,病態につき詳細な報告をしてから臨床上注目を浴びるようになり,本疾患に関する論文も年々増加してきている1,5~7,10,11).その発生病理に関しては諸説があり,いまだ原因の定かでない先天性発生異常に起因する疾患である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら