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整形外科を育てた人達 第125回
Alexander Gibson(1883-1956)
著者: 天児民和1
所属機関: 1九州大学
ページ範囲:P.580 - P.582
文献購入ページに移動Canadaは比較的新しい国であったので,整形外科の有力な学者は少なかったが,その中でAlexander Gibsonは有力な整形外科医であった.Gibsonは1883年に英国で生まれた.家系については情報を得られなかったが,成長してEdinburgh大学に入学した.当時,Edinburgh大学は医学界で隆盛をきわめていた.この大学で教育を受け1908年に卒業したが,成績は全学生の主席であった.そのため学位MB(Bachelor of Medicine)とMA(Master of Arts)が授けられた.その少し前に,技術賞のVan Dunlop賞をも貰っていた.
Edinburgh大学卒業後英国王室の一族のSir Thomas Fraserの侍医となった.その後外科医となって活動していたEdinburgh大学の解剖学のDemonstraterとして招かれて,2年後の1913年にはUniversity of Manitobaの解剖学教授に任ぜられた.この大学はCanadaの西部の新しい大学であった.始め解剖学教授であったが,次第に整形外科の教育も解剖学の知識を基礎にして行い,好評であったので,遂に整形外科の教授に任ぜられた.これはCanada最初の整形外科教授であった.
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