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文献詳細

雑誌文献

臨床整形外科29巻5号

1994年05月発行

文献概要

臨床経験

骨盤巨大骨腫瘍切除後の広範骨欠損に対して骨盤同種骨による再建術を行った1例

著者: 下崎英二1 松田正樹1 土屋弘行1 北岡克彦1 小林尚史1 富田勝郎1 樋口雅章2

所属機関: 1金沢大学医学部整形外科 2富山県立中央病院整形外科

ページ範囲:P.587 - P.591

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 抄録:骨盤部における広範な骨欠損に対する再建術には苦慮することが多い.今回,我々は骨盤軟骨肉腫切除後に生じた骨盤部の広範骨欠損に対してオートクレーブ片側骨盤同種骨による再建術を行ったので報告する,症例は52歳,男性,左腸骨及び大腿骨近位より発生した巨大な二次性軟骨肉種例である.腫瘍切除後の骨欠損に対し,骨盤はオートクレーブ同種骨,大腿骨近位はオートクレーブ自家骨で再建し,股関節にはlong-stemed hip prosthesisを用いて人工関節とした.術後12カ月でオートクレーブ同種骨と母床骨の骨癒合を認め,術後20カ月の現在,疼痛もなく1本杖歩行を行っている.短期の経過ではあるが,オートクレーブ同種骨を用いた広範囲骨盤欠損の再建は,人工骨盤や制御型人工関節といった人工物のみによる再建よりも構築学的,機能的な面から優れた方法であると考えられた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1286

印刷版ISSN:0557-0433

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